ディザスターポリティカルムービー。彗星衝突で半年後に地球が滅亡、科学者の報告を受けた大統領は選挙戦の「イベント」に利用しようとする。やがて、見上げる派と見上げない派で世界は分断されてしまう。アメリカ政治に興味があればより楽しめたかも。
登場人物の誰もに欠点があり、真っ当な人が一人もいない。彗星を前に現実を直視する「ルックアップ」の立場と、そうでない「ドントルックアップ」の立場、両方に問題がある。「映画」のようにはうまくいかないもどかしさが、なんとも言えない。
IT業界の大物が怖すぎる。スティーブ・ジョブズか、ティム・クックか、イーロン・マスクか、誰なのか分からないけど、人類の生命と財産を守るべき政治に経済が介入して悲劇となる皮肉を見せつけられる。
観てスカッとすることはなく、モヤモヤとする、そんな皮肉に満ちた作品。