ホビヲの映画感想画

ホビヲが観た映画の感想を描きます。

『スモーク』ニューヨークの街角で嘘と偶然が織りなす不思議な話

タバコ吸いながら写真撮る人
タバコ吸いながら写真撮る人

  • 原題:Smoke
  • 公開:1995年
  • 時間:113分
  • 監督:ウェイン・ワン
  • 脚本:ポール・オースター
  • 出演:ハーヴェイ・カイテル、ウィリアム・ハート、ハロルド・ペリノー・ジュニア、フォレスト・ウィテカー、ストッカード・チャニング

ネタバレなしのあらすじ

舞台はニューヨークの下町ブルックリン。毎日決まった時間に決まった場所で写真を撮り続けるタバコ屋の店主。彼は撮りためた写真を親しくなった客に見せる。すると客は号泣。今は亡き最愛の妻が偶然映り込んでいたのだ。そんな偶然が連鎖し、人と人が繋がっていく。

ネタバレありのレビュー

この作品、あらすじを書くのが難しい。映画を観てから時間が経っていたので、Wikipediaを参考にしたのだけど、これといった出来事もなくうまく話をまとめられないのだ。

原作・脚本を担当したのはポール・オースター、アメリカを代表する人気作家だ。私も大好きな作家で、ほとんどの著作が本棚に並んでいる。それらを眺めて思った。彼の作品の魅力はあらすじなんかにはないのだ。

本作も彼の著作も魅力の根底は同じところにある。舞台はニューヨーク、嘘と偶然が織りなすドラマ、なんだか不思議で味わい深いセリフ、そういったすべてが魅力で、独特な世界を構築しているのだ。

本作を見終わった時、私は「ポールオースターの世界だ。すごく好き」と思ったが、一緒に観ていたもう一人は「まったく意味がわからない。これは何が言いたいの?」と言っていた。

この世界観を楽しめるかどうか、人を選ぶ作品だと思う。

One More Thing...

ポール・オースターの作品には印象的な「偶然」のエピソードが多い。一見すると、なんたるご都合主義、ありえない、と思ってしまう。しかし、彼独自のストーリーテリングで嘘がリアルになってしまうのだ。

現実世界で、印象に残った私の「偶然」はなんだろう。そう言えば、会社を早退して『シン・ゴジラ』を観にいった時の話だ。席に着くと、同僚が隣に座っている。「えっ?」さっき、会社にいたのに!なんで?あなたも早退してたの?この広い劇場で隣に座るってどんだけの確率なんだ、と。全然、映画が頭に入ってこなかった。そんな偶然もある。

そう思うと、ポール・オースターの描く偶然は、嘘ではなく現実なのかもしれない。

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