展開は想定内だったけど愉快なお話だった。
見た目は殺人鬼だが中身は女子高生、見た目は女子高生だが中身は殺人鬼。設定の妙で随所で笑わせてくれる。笑いどころであろうグロいシーンは、酷すぎて笑えなかったが。
ジェンダーもちゃんと作品のテーマだった。男女の体格差が気持ちにどう影響するのかが上手に描かれている。
女子高生はごっついおっさんの殺人鬼になることで、自信を持ち元の体に戻っても「できる!」と相手に立ち向かっていく。健全なる精神は肉体に宿るとか宿らないとかいうけれど、気持ちで負けてちゃいけないのだというメッセージだと理解した。
また、力の弱い相手に突っかかる人間、人を見た目で判断し高圧的な態度をとる人間、そういう人々を皮肉っているお話だとも感じる。
本作を観た人は、見た目で人を判断する人間にはなりたくない。きっとそう思うはずだ。
ただ、殺人鬼の姿になった好きな人とのキスシーンは、もうちょっと待ってもよかったのではないかとも思う。