ホビヲの映画感想文

ホビヲが観た映画の感想を描きます。

『グエムル-漢江の怪物-』怪物にさらわれた娘を探す家族の話

ハリウッド映画ばかり観てきた。美男美女のすてきな俳優たち、お金のかかった度肝を抜く映像、明瞭でわかりやすい血湧き肉躍るストーリー。ちびっこの頃から何千本も観て、何千時間も費やしてきたはずだ。これだけ「アメリカ文化」に接していると、アメリカが嫌いになるわけはない。映画の中のアメリカと実際とは別物で、夢のような国ではないとわかっているのだが。

『グエムル-漢江の怪物-』で、アメリカはびっくりするほど悪者に描かれている。怪物を生み出す原因となった毒薬廃棄も、事実を隠蔽し危害を加えるのもアメリカ。では、政府が味方になってくれるのかというとまったくそんなことはない。娘を失った家族は誰にも頼ることができない。

さすが『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督、政治的メッセージの強い作品だった。この物語は言い換えると、社会の底辺に位置する家族が、理不尽を象徴した怪物に「一矢を報いる」話だった。うまいこと言った。