エイガログ

ホビヲが観た映画の記録。

カラー・オブ・ハート

撮影は、影を撮ると書く。その濃淡で世界を映し、ドラマを作る。映画とはそういうものだろう。しかし、それも昔の話、いまはカラーが当たり前だ。このご時世に白黒で映画を撮る意味はあるのだろうか。本作「カラー・オブ・ハート」に限って言えば、あると断言できる。白黒でなければ成立しない作品だ。物語は、白黒テレビの世界に迷い込んだ兄妹を軸に展開する。「完璧な虚構の世界」に最初は驚く二人だが、すぐに違和感を覚えはじめる。彼らの存在が人々に刺激を与え、少しずつ世界は変わり始める。世界の決まりを破り、当たり前でなくなると、差別され、迫害を受ける。白黒世界のルールを破ったマイノリティーはカラーになる。人とは違うことが誰の目にも明らかになる。しかし、カラーは美しい。白黒の世界に色づく新しい風。そんなドラマを感じさせる社会派の名作だと思う。